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◆ チャイナマネー (20) グローバル化といっても越えてはならない一線はある [  ◆ 日本版NSC(国家安全保障会議)]

北海道が危ない 第6部 )】
丸ごと買収された袋小路の集落は今

2018.08.17
(https://www.sankei.com/affairs/news/180817/afr1808170009-n1.html )




北海道で中国資本や中国の影が見え隠れする資本に買収された不動産の定点観測を始めて 3年。

買収された地域は今、どうなっているのか。現状を報告する。

(編集委員 宮本雅史、写真も)


買収目的のわからない事例の一つに日高山脈の麓の平取町豊糠(びらとりちょうとよぬか)地区がある。

幌尻岳(ぽろしりだけ)の西側の麓に位置し、過疎化と高齢化で、住民はわずか 12世帯 23人ほど。

冬季は雪深く、袋小路のような地形の集落は陸の孤島になる。


この豊糠地区で、平成 23年(2011年)に中国と関係があるとされる日本企業の子会社の農業生産法人(所在地・北海道むかわ町)が約 123ヘクタールの農地を買収した。

地区内の農地の 56%にあたる広さだが、農業生産法人は何の耕作もせず、放置するという不可解な状態にあった。


今年(2018年)6月中旬、現地を訪れてみると、セイタカアワダチソウなどの雑草が生い茂る耕作放棄地のままだった。


平取町民の一人は
「レントコンやセイタカアワダチソウが生え放題になっている。1年に 1回は草を刈るには刈るけれど刈りなげだ」
と証言する。

別の町民も「まるで雑草畑だ。何を考えているのか分からない」と言う。

農地が高く売れるならだれが買おうと気にしなかったという住民らも今では不安げだ。


平取町の農業委員会の関係者にたずねると、
「飼料用牧草用地として買収したいという要望を受け入れ、売却を決定した」
と経緯を説明した。

非耕作状態であることは把握しており、
「農業生産法人に管理をするよう通知をしている。委員会はそれ以上手を付けられない」
と言葉を濁した。


農作物を作れば利益が期待できる広い農地を放置しているのはなぜなのか。

買収が行われた 7年前から、住民の間で一つの仮説が立てられていた。

「農地を荒れ地にしておき、いずれ地目(ちもく)を『雑種地』に変更するつもりではないか。制約の緩い雑種地になれば自由に売買でき、住宅や工場を建てられる」


豊糠地区は抜け道のない行き止まりにある集落で他の地域との行き来も少ない。

豊かな水源地でもあることから
「土地が自由に利用できるようになる時期まで待って、何者かが意図的に隔離された地域を作ろうとしているなら、これほどうってつけの場所はない」
と懸念する住民もいた。


この懸念を増幅するように、複数の取材協力者が地図を示しながら
「農業生産法人は実に効率的な買い方をしている」
と指摘した。

3つ並んだ農地があれば中央の 1つ、あるいは左右の 2つという具合に飛び飛びに買収しているのだという。

あたかも囲碁やオセロゲームを連想させる手法で
「56%しか買収していないとはいえ、実質は豊糠の農地すべてを買われたのと同じだ」
というのだ。


情報提供者の話はさらに続いた。

「旧式の小さいヘリが低空飛行で行ったり来たりすることがある」

「この辺りでは不釣り合いな高級車が来ることもある」


今年春には中国と関係があるといわれる通信会社の名前を挙げ、豊糠地区に中継基地を建てると視察に来たという。


水面下で何かが動いているのだろうか。

そんな不安がよぎる。

平取町に住む情報提供者の一人が気になる話を語った。


「平取町に住んでいる中国人女性が、日本人と結婚して帰化して道内に住む女性に『仲間に入らないか』と誘ってきた。
断ると『日本にいられなくしてやる』とすごんだという。
この女性は、他にも数人の帰化した中国出身女性を個別に訪ね、勧誘しているようだ」


勧誘を受けた女性が「仲間に入れ」という意味を尋ねても、平取町の女性は説明しなかったという。


・不可解な集落の丸ごと買収
・非耕作地で放置された農地
・空を舞う正体不明のヘリ
・不釣り合いな高級車の来訪
・日本国籍を得た者に対する「仲間に入れ」という強い勧誘
・中継基地計画…。

情報提供者らは
「不可解なことだらけだ。いったい何をやろうとしているのか。年月がたつに従って不安と危機感が膨らんでいる」
と話した。


閉鎖的でアンタッチャブルな集落を計画しているのではないかという住民の声が現実的に思えてくる。





北海道が危ない 第6部 ()】
外資の開発カギは開放性

2018.08.18
(https://www.sankei.com/affairs/news/180818/afr1808180013-n1.html )


営業が再開し開発が進む北海道赤井川村のキャンプ場=2018年6月


北海道で進められている外国資本による土地買収。

平取町豊糠(とよぬか)地区のように目的不明の地域もある一方で、赤井川村のように開発計画が突然、動き出したところもある。


赤井川村明治地区では平成 28年(2016年)5月、東南アジアやオーストラリアなどで不動産開発やレストラン経営を手がけるシンガポール系企業の日本法人が、東京ドーム約 58個分に当たる約 270ヘクタールの森林を買収した。


村は重要な水源地として知られ、余市川水系の水量豊かな白井川も流れる。


買収された敷地面積が広大で、入り口を閉ざしてしまえば完全に外部から閉鎖されたゾーンになる地形でもあることから、どのような土地活用が行われるのかと懸念が指摘されていた。

          ×  ×

買収から 2年。

今年(2018年)6月に再び現地を訪ねると、国道を挟んで反対側の森林が同じシンガポール系企業に買収され、林の伐採が始まっていた。

国道に面した入り口にはキャンプ場の看板とともに「営業中」の立て札が掲げられ、脇の駐車場では大がかりな改修工事も行われていた。

キャンプ場の受付でもらった案内書には「9時から 17時まで営業」とあった。

受付で聞くと、8月のレッドブル主催の自転車競技大会の日本予選に向けてのものだった。

5月連休からは釣り堀もオープンしていた。


買収当時、日本法人は 10年程度をかけて 30億円を投資し、敷地内に美術館や別荘地を開発すると説明していたが、「博物館や美術館の整備計画は進んでいない」という。

ただ、アウトドア愛好者の間で話題の木製トレーラーハウスも近く設置し、今後も自転車競技などのイベントなどを随時、計画していくのだという。

開発は一気に始まっていた。

          ×  ×

同じ赤井川村の富田地区では、中国資本にゴルフ場が買収されていることが分かった。


キャンプ場から国道 36号を余市方面へ 10分ほど行くと、道路の右側に大きな看板跡が目に飛び込んできた。

さらに赤井川に架かる橋を渡って進むと、森林の中に立派な門が残されていた。

ゴルフ場の名前は削り取られていた。


赤井川村の関係者によると、このゴルフ場は、ヤマハグループが運営するキロロゴルフクラブだったが、15年(2003年)に閉鎖。

18年(2006年)に小樽市の建設会社が購入し、ゴルフ場名をレラゴルフクラブに変更して再開していたが、22年(2010年)中国資本が買収、キロロ・ゴルフ & リゾートと商号を変更したという。

登記簿でも商号の変更が繰り返され、28年(2016年)4月13日に北海道喜洋洋ゴルフリゾートに変更されていた。


役員は、東京都在住の呉之平氏と台湾在住の趙棟楔氏が 22年(2010年)9月27日に代表取締役に就任。

呉氏は 28年(2016年)3月 22日に、趙氏は 28年(2016年)1月 19日にそれぞれ退任し、現在の代表取締役は上海在住の朱建国氏で、趙氏に代わって 28年(2016年)3月 22日に就任した。


買収当時の経営者の一人、呉氏は 29年(2017年)に夕張市からマウントレースイスキー場などの 4つの観光施設を約 2億 2千万円で買収した中国系企業「元大リアルエステート」のトップだ。


不動産売買の経緯に詳しい赤井川村の関係者によると、呉氏が夕張開発に本格的に乗り出したことから、村のゴルフ場開発は朱氏に譲られたのだという。


村関係者は
「ニセコに次ぐ大規模なリゾート開発の計画がある。(2018年)8月頃には構想がまとまるはずだ。村は大きく変わる」
と期待に声を弾ませた。

ゴルフ場近くで農作業をしていた男性も
「ニセコで中国人が家を買っているから、この辺りでも中国人向けの街や別荘を造りたいという話を聞いた」
と話した。


この話を裏付けるかのように、赤井川村の道の駅では中国人観光客が大幅に増えているほか、村内に居住する中国人も目立つようになってきているという。


外国系資本によって開発が動き始めた赤井川村。

観光施設が国内外のレジャー客を継続して開放的に受け入れ、村の発展に寄与するのかどうか。

今後も注目が必要だ。(編集委員 宮本雅史)





北海道が危ない 第6部 ()】
農地買い上げに自治体動く

2018.08.22
(https://www.sankei.com/affairs/news/180822/afr1808220026-n1.html )


中国資本によって開発が進められている宿泊施設=北海道新得町2018年6月


連載『異聞~北の大地』をきっかけに、北海道の道央地区で農業生産法人としてコメをつくる中年夫婦から連絡が入った。

「中国資本が近くで農地を買っている。だれも実態がつかめていない」というのだ。


夫婦の農業生産法人は平成 23年(2011年)春、約 30ヘクタールの農地を買った。

売買交渉が始まった前年の 22年(2010年)9月ごろに中国資本も手を挙げ、競合したという。

周囲を山に囲まれた農地は豊かな雪解け水も流れ、農業には最適な場所だった。

「中国資本もよほど欲しかったのでしょう。相当高い値段を付けてきたようですが、何とか手に入れることができました」


中国資本によって買収されるケースは確実に増えているが、地元住民も気づかず、買収先が中国資本だったと判明するのはしばらく後になってからだという。

「2、3年前に知り合いの農家の近くで 5ヘクタールぐらいのタマネギ畑が何者かに買収されました。中国資本が買ったとわかったのは何日もたってからでした」


この夫婦はさらに、付近で中国人の居住者が増えているとも言った。

「この 3年くらいで中国人の数が突然増えてきた。スーパーなどで肉や魚、野菜などの食材を購入する姿をよく見かける。長期滞在か住み着いているのではないかと思う」


知り合いのケースとしてこんなことも口にした。

「これも2、3年前に道東の知り合いから聞いた話です。
中国人女性をお嫁さんに迎える町の婚活イベントで縁談が決まったのですが、しばらくしてお嫁さんの親族たちが大勢移り住んできた。
『嫁取り』のはずが逆に家を乗っ取られた格好で、おばあちゃんがこんなはずじゃなかったと泣いていたというのです」


夫婦は農地買収の実態が分からないことや中国人居住者の増加に戸惑いを隠せない様子だった。

「中国人の動きを農協に聞いても『知らない』『分からない』というばかり。すべての中国人を否定するわけではないが、今のままだと本当に中国人たちに乗っ取られかねない」とこぼした。

          ×  ×

北海道庁によると、29年(2017年)に外国資本に買収された森林は 39件で 51.9ヘクタールあった。

国別件数では中国(香港を含む)によるものが最も多く 17件(15.7ヘクタール)。

次いで多かったのが台湾の 5件(10ヘクタール)だった。

外国法人の子会社など資本の 50%以上を外国資本が占める日本法人による買収は 18件(67.9ヘクタール)。

国別ではやはり中国が 11件(23.8ヘクタール)とトップだった。

18年(2006年)から 29年(2017年)12月末現在までの累計面積をみると、34市町村で計 2495ヘクタールに及んでいる。

実に東京ドーム 531個分に匹敵する面積だ。

          ×  ×

中国資本による農地や山林などの買収が増加の一途をたどるなか、歯止めをかけようと立ち上がったのがサホロリゾートを抱える新得(しんとく)町だ。


サホロリゾートでは中国資本による宿泊施設の買収が行われ、注目を集めた。

危機感を覚えた町は 30年(2018年)3月に狩勝(かりかち)牧場が閉鎖されると、敷地約 370ヘクタールを 2億円で買い上げたのだ。

町の産業課によると、農地の分散化や海外資本による林地の買収に懸念を持ったのが買い上げの理由だ。


町が農地を買い取って貸し付け、適切な時期に適切と判断された相手に売り払う「町農地利用集積円滑化事業」を活用。

農地(132ヘクタール)は 4月から酪農の新規参入者や後継者育成を目的にする研修農場「シントクアユミルク」に貸し付けた。

林地(184ヘクタール)は町有林として町が管理を行い、牧場内の建物は町で管理し、農協などと活用方法を協議していくという。


浜田正利町長は、外国資本が国内の不動産を自由に買収することに危機感を持つ一人だ。

浜田氏は 28年(2016年)に行ったインタビューで
「日本を守るという意味で、道内の不動産取引に対していろいろな制限は必要だと思う。
特に土地に関しては国で制限を設けないと、地方自治体でやれと言っても無理な話だ。
グローバル化といっても越えてはならない一線はある」
と述べていた。


町の産業課では
「第 1次産業に必要な地元の土地は地元の住民が所有すべきだという考えに基づいている。
高齢などの理由で管理できない山林は町が買い取り町有林として管理する。
これからも農地や山林については町が買い取る方向で対応する」
と断言、国土を守る姿勢を強調した。(編集委員 宮本雅史)



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