◆ 第3章 (9) 良心的知識人たちの 「善意」 [ ❒ 新しい神の国(古田博司著)]
KILLSWITCH ENGAGE ~ In Due Time (2013)
古田博司著『新しい神の国』
第3章 贖罪大国日本の崩壊
9. 良心的知識人たちの「善意」
藤島宇内と朝鮮総連、ひいては北朝鮮の思想工作は、瞬く間に良心的知識人の間に広まっていった。
中国の方の贖罪宣伝は主に、ソ連と中国の工作員に呼応し、社会主義への「歴史的必然」を信じる進歩的文化人によって担われたが、他方朝鮮への贖罪宣伝とは棲み分けがなされていて、こちらの方は北朝鮮と朝鮮総連の工作に呼応した良心的知識人によって推論される傾向があった。
そして、日韓のみの国交回復を朝鮮半島の平和的統一の阻害要因と見て、日韓会談に反対するという目標への道程で、日本人の朝鮮感を変更させ、日本人に贖罪観を植え付けるという戦略が採られたものと思われる。
1962年の12月号の『世界』では、「日韓交渉をどう考えるか」という題で何人かの良心的知識人たちが寄稿しているが、小椋広勝(当時、立命館大学教授)が「何のための『国交正常化』か」で、日韓交渉が日米の軍事ブロック政策の一環であり、それが南北朝鮮統一と日中の国交正常化を妨げ、東アジア諸国から日本を孤立させると非難している。
例のいわゆる「日本孤立化論」の煽りである。
また、泉靖一(当時、東京大学助教授)は「朝鮮の現実に目をふさぐな」で、
「民族意識のうえからも、経済的にも、南北の統一がおこなわれないかぎり、朝鮮は20世紀後半の近代国家として存立しえないのである」
と、まさに北の社会主義の現実に目をふさぎ (← www)
「日本が朝鮮にたいする過去の責任を負うつもりならば、朝鮮が近代国家として成長するために力をつくすべきである。このことは、アジアの共同体を強めることに役立つ」
と、これまた例の東亜諸民族共同体による「東亜秩序」を日本人の責任論として語っている。
作家の大江健三郎も登場し、「朝鮮人と日本人の authenticite」で、北朝鮮には北朝鮮人としてのautentique(真正の)感覚があり、韓国にはないので、韓国は外国墓地を撤廃して南北統一を推進し、それを阻害する日韓会談を止めろと言っている。
さらに日韓会談を推進することにより、 日本人が朝鮮人の真正の再生を妨げることは、「恥の感覚の熱い痛み」であるとも述べる。
どれもこれも今日から見ると、とてつもない妄言ばかりであるが、当時の彼らはみな北朝鮮の側に「良心的に」身を置いており、かつ北朝鮮の近代化を信じるがゆえに、韓国を北中心の正道にもどしてあげることが善意だと固く信じていたのであった。
第3章 贖罪大国日本の崩壊
9. 良心的知識人たちの「善意」
藤島宇内と朝鮮総連、ひいては北朝鮮の思想工作は、瞬く間に良心的知識人の間に広まっていった。
中国の方の贖罪宣伝は主に、ソ連と中国の工作員に呼応し、社会主義への「歴史的必然」を信じる進歩的文化人によって担われたが、他方朝鮮への贖罪宣伝とは棲み分けがなされていて、こちらの方は北朝鮮と朝鮮総連の工作に呼応した良心的知識人によって推論される傾向があった。
そして、日韓のみの国交回復を朝鮮半島の平和的統一の阻害要因と見て、日韓会談に反対するという目標への道程で、日本人の朝鮮感を変更させ、日本人に贖罪観を植え付けるという戦略が採られたものと思われる。
1962年の12月号の『世界』では、「日韓交渉をどう考えるか」という題で何人かの良心的知識人たちが寄稿しているが、小椋広勝(当時、立命館大学教授)が「何のための『国交正常化』か」で、日韓交渉が日米の軍事ブロック政策の一環であり、それが南北朝鮮統一と日中の国交正常化を妨げ、東アジア諸国から日本を孤立させると非難している。
例のいわゆる「日本孤立化論」の煽りである。
また、泉靖一(当時、東京大学助教授)は「朝鮮の現実に目をふさぐな」で、
「民族意識のうえからも、経済的にも、南北の統一がおこなわれないかぎり、朝鮮は20世紀後半の近代国家として存立しえないのである」
と、まさに北の社会主義の現実に目をふさぎ (← www)
「日本が朝鮮にたいする過去の責任を負うつもりならば、朝鮮が近代国家として成長するために力をつくすべきである。このことは、アジアの共同体を強めることに役立つ」
と、これまた例の東亜諸民族共同体による「東亜秩序」を日本人の責任論として語っている。
作家の大江健三郎も登場し、「朝鮮人と日本人の authenticite」で、北朝鮮には北朝鮮人としてのautentique(真正の)感覚があり、韓国にはないので、韓国は外国墓地を撤廃して南北統一を推進し、それを阻害する日韓会談を止めろと言っている。
さらに日韓会談を推進することにより、 日本人が朝鮮人の真正の再生を妨げることは、「恥の感覚の熱い痛み」であるとも述べる。
どれもこれも今日から見ると、とてつもない妄言ばかりであるが、当時の彼らはみな北朝鮮の側に「良心的に」身を置いており、かつ北朝鮮の近代化を信じるがゆえに、韓国を北中心の正道にもどしてあげることが善意だと固く信じていたのであった。
新しい神の国 ☆ もくじ
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-11-1 )
第3章 贖罪大国日本の崩壊
1.戦後日本の「愛国しない心」
2.韓国での排外体験
3.愛国心とナショナリズム
4.贖罪の宣伝戦
5.「倫理の高み」にのぼった中共
6.軍民二分論の破綻
7.韓国人の中国人評
8.朝鮮への贖罪工作
9.良心的知識人たちの「善意」
10.贖罪大国の崩壊
日本は東アジアの一員じゃない
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