◆ 注意!! 令和3年度(2021年度)から中学校で使われる歴史教科書 [ ◆ 日教組・教科書問題]
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「従軍慰安婦」の呼称復活
中学校教科書検定 自虐色強まる傾向も
2020.3.24
(https://www.sankei.com/life/news/200324/lif2003240040-n1.html )
【検定合格の教科書】検定に合格した教科書=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)
文部科学省は3月24日、令和3年度(2021年度)から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。
合格した社会科の歴史教科書では、平成16年度(2004年度)検定以降は使われなくなっていた「従軍慰安婦」の呼称が復活。
先の大戦で日本軍が「沖縄を『捨て石』にする作戦だった」などの記述もあり、一部で自虐色が強まる傾向がみられた。
検定には10教科計115点が申請され、社会科の歴史で自由社と令和書籍、技術家庭科でイスペットと教育図書が不合格になった。
このうち教育図書は再申請して合格したが、自由社など3点は「欠陥箇所数が著しく多い」などとされ、年度内の再申請も認められなかった。
ほかに国語など5点が申請を取り下げた。
検定意見の総数は4775件。
理科2043件、技術家庭814件、数学466件の順で多かった。
歴史では集団的自衛権に関し、平成26年(2014年)7月に閣議決定された武力行使の新3要件を踏まえない記述に検定意見がつき、「実力で阻止する」との記述が「必要最小限の実力」などと修正された。
合格した教科書のうち領土をめぐる記述では、平成26年度(2014年度)の前回検定に続き、社会科の地理で全社が北方領土と竹島(島根県隠岐の島町)、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「固有の領土」と記述。
公民は前回1社が尖閣諸島を扱わなかったが、今回は全社が取り上げた。
いずれも地図や写真など複数の資料を使って領土意識を深める内容で、充実した記述が定着した。
一方、先の大戦をめぐる記述では、歴史で2社が慰安婦について説明。
このうち新規参入の山川出版は「戦地に設けられた『慰安施設』には、朝鮮・中国・フィリピンなどから女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と記述した。
「従軍」をつけた呼称は不適切との批判が強く、現在の教科書では使われなくなっている。
また別の教科書で、南京事件で日本兵が民家に侵入し、15歳と13歳の少女を暴行して父母や祖父母らを殺害する様子を書いた文章や、日本軍が「(マレーシアなどで)多くの人びとを虐殺」「沖縄を『捨て石』にする作戦だった」との記述もあったが、検定意見はつかなかった。
令和3年度(2021年度)から全面実施される新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」が打ち出され、全教科で課題探求や発表形式などの内容が多数盛り込まれた。
特に英語は会話重視の構成となり、今春から教科化された小学校英語との連携にも工夫がみられた。
◇
教科書検定 教科書会社が編集した原稿段階の教科書を文部科学省が審査する制度。
小・中・高校ごとにおおむね4年に1度のペースで行われ、
(1)学習指導要領に則しているか
(2)範囲や表現は適切か
などを文科省職員の教科書調査官が調査し、さらに文科相の諮問機関である教科書検定調査審議会が審査する。
大学教授らが務める審議会の定員は30人だが、ほかに多数の臨時委員らがおり、教科別の部会や小委員会に分かれて審議。
不適切な記述などには検定意見がつく。
このうち歴史小委員会は正委員3人、臨時委員12人。
審査に合格しないと教科書として認められない。
中学校教科書検定 自虐色強まる傾向も
2020.3.24
(https://www.sankei.com/life/news/200324/lif2003240040-n1.html )
【検定合格の教科書】検定に合格した教科書=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)
文部科学省は3月24日、令和3年度(2021年度)から中学校で使われる教科書の検定結果を公表した。
合格した社会科の歴史教科書では、平成16年度(2004年度)検定以降は使われなくなっていた「従軍慰安婦」の呼称が復活。
先の大戦で日本軍が「沖縄を『捨て石』にする作戦だった」などの記述もあり、一部で自虐色が強まる傾向がみられた。
検定には10教科計115点が申請され、社会科の歴史で自由社と令和書籍、技術家庭科でイスペットと教育図書が不合格になった。
このうち教育図書は再申請して合格したが、自由社など3点は「欠陥箇所数が著しく多い」などとされ、年度内の再申請も認められなかった。
ほかに国語など5点が申請を取り下げた。
検定意見の総数は4775件。
理科2043件、技術家庭814件、数学466件の順で多かった。
歴史では集団的自衛権に関し、平成26年(2014年)7月に閣議決定された武力行使の新3要件を踏まえない記述に検定意見がつき、「実力で阻止する」との記述が「必要最小限の実力」などと修正された。
合格した教科書のうち領土をめぐる記述では、平成26年度(2014年度)の前回検定に続き、社会科の地理で全社が北方領土と竹島(島根県隠岐の島町)、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を「固有の領土」と記述。
公民は前回1社が尖閣諸島を扱わなかったが、今回は全社が取り上げた。
いずれも地図や写真など複数の資料を使って領土意識を深める内容で、充実した記述が定着した。
一方、先の大戦をめぐる記述では、歴史で2社が慰安婦について説明。
このうち新規参入の山川出版は「戦地に設けられた『慰安施設』には、朝鮮・中国・フィリピンなどから女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と記述した。
「従軍」をつけた呼称は不適切との批判が強く、現在の教科書では使われなくなっている。
また別の教科書で、南京事件で日本兵が民家に侵入し、15歳と13歳の少女を暴行して父母や祖父母らを殺害する様子を書いた文章や、日本軍が「(マレーシアなどで)多くの人びとを虐殺」「沖縄を『捨て石』にする作戦だった」との記述もあったが、検定意見はつかなかった。
令和3年度(2021年度)から全面実施される新学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」が打ち出され、全教科で課題探求や発表形式などの内容が多数盛り込まれた。
特に英語は会話重視の構成となり、今春から教科化された小学校英語との連携にも工夫がみられた。
◇
教科書検定 教科書会社が編集した原稿段階の教科書を文部科学省が審査する制度。
小・中・高校ごとにおおむね4年に1度のペースで行われ、
(1)学習指導要領に則しているか
(2)範囲や表現は適切か
などを文科省職員の教科書調査官が調査し、さらに文科相の諮問機関である教科書検定調査審議会が審査する。
大学教授らが務める審議会の定員は30人だが、ほかに多数の臨時委員らがおり、教科別の部会や小委員会に分かれて審議。
不適切な記述などには検定意見がつく。
このうち歴史小委員会は正委員3人、臨時委員12人。
審査に合格しないと教科書として認められない。
【主張】歴史教科書 太子や龍馬を泣かせるな
2020.2.27
(https://www.sankei.com/column/news/200227/clm2002270001-n1.html )
「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する中学歴史教科書(自由社)が、文部科学省の検定で不合格とされた。
同会が明らかにした。
「誤解するおそれがある」などとされた検定の指摘の中には、逆に誤解しないか、首をひねるものがある。
歴史教科書のあり方とともに見直してもらいたい。
学習指導要領改定に伴い、令和3年度(2021年度)から中学で使われる教科書の検定が今年度行われている。
すべての検定が終わる今春まで結果公表は禁止されているが、同会が記者会見した。
それによると自由社版で「欠陥箇所」として405件が指摘され、不合格の通知を受けた。
誤記や事実の間違いは比較的少なく、7割以上にあたる292件が「生徒に理解しがたい」「誤解するおそれがある」などの理由による。
つくる会の反論はもっともな点が少なくない。
たとえば、年表の中で1949年の「中華人民共和国(共産党政権)成立」の記述が「誤解されるおそれ」があるとされた。
成立時は「連合政権」だというが、実態は共産党政権に変わりない。
それを無視しては、かえって生徒の理解を損ねよう。
仁徳天皇をめぐる記述で「世界一の古墳に祀(まつ)られている」との記述に対し「葬られている」が正しい表現とされた。
だが天皇陵は単なる墓所ではなく祭祀(さいし)の対象とされ、「祀られている」で問題ないとの同会の説明はうなずける。
聖徳太子や坂本龍馬の功績をめぐる記述にも意見がついた。
その指摘は専門用語などにこだわるあまり、逆に歴史への興味を損なっていないか。
新学習指導要領で「聖徳太子」を避け、「厩戸王(うまやどのおう)」の表記を優先しようとする方針に異論が出て撤回されたことも記憶に新しい。
一部教員グループが高校教科書の歴史用語から坂本龍馬らを外す案が物議をかもしたこともある。
教科書が人物ドラマや時代を通じて流れる国民の物語を欠いては無味乾燥なものになる。
戦後歴史教育では日本をことさら悪く描く自虐史観が拭えない。
教科書検定でも外圧に弱い点が指摘され、中韓などへの配慮を求める「近隣諸国条項」もいまだに見直されていない。
検定も自虐史観にとらわれていては、歴史を多角的にみる力を重視する新学習指導要領の趣旨にかなわない。
2020.2.27
(https://www.sankei.com/column/news/200227/clm2002270001-n1.html )
「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する中学歴史教科書(自由社)が、文部科学省の検定で不合格とされた。
同会が明らかにした。
「誤解するおそれがある」などとされた検定の指摘の中には、逆に誤解しないか、首をひねるものがある。
歴史教科書のあり方とともに見直してもらいたい。
学習指導要領改定に伴い、令和3年度(2021年度)から中学で使われる教科書の検定が今年度行われている。
すべての検定が終わる今春まで結果公表は禁止されているが、同会が記者会見した。
それによると自由社版で「欠陥箇所」として405件が指摘され、不合格の通知を受けた。
誤記や事実の間違いは比較的少なく、7割以上にあたる292件が「生徒に理解しがたい」「誤解するおそれがある」などの理由による。
つくる会の反論はもっともな点が少なくない。
たとえば、年表の中で1949年の「中華人民共和国(共産党政権)成立」の記述が「誤解されるおそれ」があるとされた。
成立時は「連合政権」だというが、実態は共産党政権に変わりない。
それを無視しては、かえって生徒の理解を損ねよう。
仁徳天皇をめぐる記述で「世界一の古墳に祀(まつ)られている」との記述に対し「葬られている」が正しい表現とされた。
だが天皇陵は単なる墓所ではなく祭祀(さいし)の対象とされ、「祀られている」で問題ないとの同会の説明はうなずける。
聖徳太子や坂本龍馬の功績をめぐる記述にも意見がついた。
その指摘は専門用語などにこだわるあまり、逆に歴史への興味を損なっていないか。
新学習指導要領で「聖徳太子」を避け、「厩戸王(うまやどのおう)」の表記を優先しようとする方針に異論が出て撤回されたことも記憶に新しい。
一部教員グループが高校教科書の歴史用語から坂本龍馬らを外す案が物議をかもしたこともある。
教科書が人物ドラマや時代を通じて流れる国民の物語を欠いては無味乾燥なものになる。
戦後歴史教育では日本をことさら悪く描く自虐史観が拭えない。
教科書検定でも外圧に弱い点が指摘され、中韓などへの配慮を求める「近隣諸国条項」もいまだに見直されていない。
検定も自虐史観にとらわれていては、歴史を多角的にみる力を重視する新学習指導要領の趣旨にかなわない。