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◆ 第4章 日本文明圏の再考 (1) 中世朝鮮の墓暴き乱闘事件 [  ❒ 新しい神の国(古田博司著)]


MEGADETH ~ 13  (2011)



古田博司著新しい神の国

第4章 日本文明圏の再考

2013-05-29-第四章
風水図と化した平壌平壌大同江畔にない建物まで集められ
ている。(「チュチェ芸術外国文出版社 1976年 平壌



1. 中世朝鮮の墓暴き乱闘事件


時は18世紀初頭、李朝時代の後期、慶尚道の星州である墓争いが起きた。

この事件を国王に報告したのは、王権を脅かす重罪人を主に審問する義禁府の主職であったから、ことは尋常ではない。


義禁府の記録を見ると、この時、朴慶余(ぼくけいよ)と朴寿河(ぼくじゅが)両家の間で山の所有をめぐって争いがじていた。

朝鮮の墓はみな日当たりの良い山の中腹にあるから、山争いはすなわち墓争いとなる。

18世紀頃から李朝の崩壊まで、朝鮮半島ではこの墓争いが熾烈を極め、地方政治は完全に紊乱(びんらん)してしまう。


朴寿河の息子の訴状によれば、
「近頃、人の墳山を奪う弊害が次々と起こっている。朴家の塚を掘り、柩(ひつぎ)を焼き、私(ひそか)に攻め殺すなどという変事があってよいものか。家の勢力の強弱で査察に手加減を加えるようなことがあれば、厳正にいさめるべきである」
とある。 


さて一体何が起きたものか。

両家は朴という姓だが、全く血縁を別にしている。兄弟でもなんでもない。

そこで話の都合上、紛らわしいので、名前の頭文字をとって前者を K 家、後者を J 家と仮に呼ぶことにしよう。

そしてその後、宮中でのやり取りを王側の日記(『承政院日記』「雍正4年12月20日丁丑晴条」に最も詳しい)でたどっていくと、しだいに恐るべき事実が明らかになっていった。


両家の山争いはまず地方の役所のお白州で始まったが、役所の長は既に有力な K 家と結託していた。

その結果、J 家の朴寿河が弁論すると、たちまち長を侮辱したと取られ、捕えられて殺されてしまった。

その死体は、4か月行方不明となった。

J 家の娘、朴文娘(ぼくぶんじょう)は悲しみのあまり激昂し、K 家の墓に行って、塚を掘り返し、柩を炭で焼いたという。 


K 家の家人がこの変事を聞き、墓を移そうとしたが、J 家の来襲を恐れ、装丁数百人で山を占拠した。

このとき、K 家のあるものが朴文娘に伝えた。「お前の母の墓を暴いて炭焼きの復讐をしてやる」 と。


朴文娘はこれを聞き、村人や下僕を麓に隠し、両手に刀をひっさげて、馬で山を駆けのぼり、K 家のものたちの間に突入しようとしたのであった。

ところが、彼女は遮られ、馬から引きずりおろされた。

だが、烈女の気性はその辱めに忍びず、刀をとって己の首を貫き、その場で果てたのであった。


それを見ていた朴文娘の下女が「人殺し!」と大声で叫ぶや、麓にいた J 家のものたちがどっと山に押し寄せ、K 家の家人たちに襲いかかった。

K 家のものたちは四散したが、逃げ遅れた老人と五親等の男子が捕えられ、老人はその場で蹴り殺された。


後に、中央から派遣された役人が当地に入り、調査したところ、J 家の家中で老人の遺体が発見された。

五親等の男子は朴文娘殺しとして捕えられ、そのまま 10年以上も家の中の獄につながれていたことがわかった。


さて、この事件の結末はどうなっただろうか。

なんと王や大臣たちは、朴文娘の豪胆さをほめ、あっぱれな烈女として表彰したのであった。

朴文娘の墓暴きが対立に火を注いだことを知りながら、この地方の両班知識人たちはその事実を覆い隠し、彼女の孝徳をひたすら褒め称えたのであった。

事件発生から 14年後、墓暴き乱闘事件はこのように幕を閉じた。




新しい神の国 ☆ もくじ
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-11-1 )

第4章 日本文明圏の再考

1.中世朝鮮の墓暴き乱闘事件
2.宗族という異質な社会
3.靖国の誤解をただす
4.日本文明の写実性
5.現実性と写実性の狭間で
6.古代や中世に固着する東アジア



文明の衝突
◆ 日本は東アジアの一員じゃない



メガデスの曲作りの様子が、時々、1 分くらいの動画で紹介されますが、ムステインか誰かのワンちゃんが、すっごい良い味を出してるので、それを載せたいのですけれど、ちょっと短すぎるので、えっ、見たいですか? ではw(↓)




Megadeth at Vic's Garage - Studio Update #8 February 2013x



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