◆ 第4章 (3) 靖国の誤解をただす [ ❒ 新しい神の国(古田博司著)]
PSY ~ Gangnam Style (江南スタイル) (2012)
古田博司著『新しい神の国』
第4章 日本文明圏の再考
3. 靖国の誤解をただす
話を朝鮮の宗族に戻すと、前述の墓暴き乱闘事件の根底に流れている精神が透けて見える。
朝鮮のみならず、 中国も宗族社会(朝鮮の宗族より局地的で持続力が脆弱であるが、細胞は大きい)なので、まとめて東アジアの霊魂観といってもよいと思われるが、この世界では他の一族の祖先の霊にはまったく敬意が払われない。
敵対関係であれば、墓を暴き遺体を焼くこともある。
普段は敬老精神の旺盛な社会だが、敵方の老人となれば、殴り殺して放置されることもあったことが前の事件から知られる。
要するに、彼らはわれわれとは大いに霊魂観を異にしているのである。
日本では人が死ぬとホトケになるといわれるように、あの世の神々(Gods)と一緒の扱いを受ける。
ところが東アジアで神様になれるのは、歴史上の超有名な人物とか、龍神さまや、猿神や豚神とか、超自然的な動物神だけである。
中国では、三国志の関羽は商売と泥棒の神様であり、西遊記の猪八戒は娼家の神である。
また、人は死んでも神になれず、祖霊(Ancestor)として居続ける。
おまけに他の一族の霊魂は祖霊ではない。
これはただの鬼神(Ghost)にすぎず、敵対すれば人々は容易にゴーストバスターズとなる。
例を挙げれば、 日中戦争のとき日本の近代化政策に共鳴し、南京国民政府(1940年)の首班となった王兆銘は死後、敵対する蒋介石の国民党政府により、梅花山にあった墓を暴かれ、遺体を燃やされ、墓はダイナマイトで爆破された。
1945年のことであった。
また朝鮮では、第二次日韓協約(1905年)に際して、皇帝高宗が
「全面的に協約案を拒むことは、隣の誼を保ちがたい。(中略)朕の心はすでに述べたとおりだ。そちたちよきにはからえ」
(『日省録』『承政院日記』『高宗実録』の光武9年1月16日条と
『駐韓日本公使館記録』の機密第259号
「5大臣上疏文奉呈ニ関スル件」「別紙上疏文」 )
と、自ら協約を受け入れたことが、今日の日韓併合史の研究で明らかになっている。
協約の調印は5人の大臣たちに丸投げされたのだが、この5人は戦後「5賊」と称され、売国奴扱いされることになり、その墓は暴かれて破壊された。
彼らの子孫たちは今日でも墓を建てることができない。
のみならず最近の韓国では、反米反日親北の盧武鉉(ろぶげん)政権下、
・「親日・反民族行為者の財産の国家帰属に関する特別法」が国会を通過、
・2006年8月には同法に基づき大統領直属の「親日・反民族行為者財産調査委員会」が発足し、
・2007年5月2日には日本統治に協力した親日派9家に対して、子孫たちが所有する財産約36億ウォン(約4億8千万円)の没収
が決定された。
さらに8月13日には、その第2弾として、親日派10家が所有する約 105億ウォン(約13億6千万円)相当の土地、約 102万㎡を没収することも決定された。
つまり、戦前・戦中、中国・朝鮮ともに親日近代化主義と反日民族主義者との確執があったわけだが、日本の敗戦とともに、前者は歴史の裁きを受け、民族の反逆者としてすべての国民から敵視されるゴーストの扱いをうけることになった。
そして、その子孫たちでさえ親日派の血を伝えるがゆえに、現今に至るも決して許されることがないのである。
このような人々に、靖国神社に祀られた霊魂に対する日本人一般の敬意を理解させることは、ほぼ不可能といわなければならない。
彼らにとってそれは他家の鬼であり、ゴーストであり、彼らが靖国神社参拝問題を語るときには、参拝のことを「拝鬼」(中国新華網、2006年8月15日電)といい、平然と侮蔑することになる。
「それでも靖国に行こうとする日本の首相はいったい何者なのか」。
さんざん首をひねった末に彼らが編み出した解答は、「そうか。その首相は、きっと東條英機の隠し子だったのだ」 というもので、これで彼らはやっと納得の苦いかたまりを肚に落とすのである。
けだし、すべてを一族の血という公式から演繹する中華文明圏の民たちにとって、日本人の「罪過」は未来永劫にわたって晴れることはなく、その復讐は那由多(なゆた)の回数分、正当化されることになるだろう。
さて筆者は大学で「東洋政治思想」という講義を持っており、ときどきここで語ったような比較文化論をすることがある。
すると授業が終わるやいなや、激昂した韓国や中国の留学生たちが朴文娘の家人たちのように教壇にドッと押し寄せてくる。
何を怒っているかと思えば、そのような日本人の霊魂観や精神は間違っていると腹を立てているのである。
なかには、「地下鉄サリン事件で多くの日本人を殺した人物の死後、日本人はその者の墓まで建てさせるのか」 などと、迫ってくる学生までいる。
さて、このような人々に対し、読者諸兄姉であればどのような応答を試みるだろうか。
それは相当難しい。
なぜならば彼らの宗族中心主義は 「自己絶対正義」 の根幹なのであり、ここから今日の東アジアにおける多くの外交問題が発生しているといっても過言ではないからである。
第4章 日本文明圏の再考
3. 靖国の誤解をただす
話を朝鮮の宗族に戻すと、前述の墓暴き乱闘事件の根底に流れている精神が透けて見える。
朝鮮のみならず、 中国も宗族社会(朝鮮の宗族より局地的で持続力が脆弱であるが、細胞は大きい)なので、まとめて東アジアの霊魂観といってもよいと思われるが、この世界では他の一族の祖先の霊にはまったく敬意が払われない。
敵対関係であれば、墓を暴き遺体を焼くこともある。
普段は敬老精神の旺盛な社会だが、敵方の老人となれば、殴り殺して放置されることもあったことが前の事件から知られる。
要するに、彼らはわれわれとは大いに霊魂観を異にしているのである。
日本では人が死ぬとホトケになるといわれるように、あの世の神々(Gods)と一緒の扱いを受ける。
ところが東アジアで神様になれるのは、歴史上の超有名な人物とか、龍神さまや、猿神や豚神とか、超自然的な動物神だけである。
中国では、三国志の関羽は商売と泥棒の神様であり、西遊記の猪八戒は娼家の神である。
また、人は死んでも神になれず、祖霊(Ancestor)として居続ける。
おまけに他の一族の霊魂は祖霊ではない。
これはただの鬼神(Ghost)にすぎず、敵対すれば人々は容易にゴーストバスターズとなる。
例を挙げれば、 日中戦争のとき日本の近代化政策に共鳴し、南京国民政府(1940年)の首班となった王兆銘は死後、敵対する蒋介石の国民党政府により、梅花山にあった墓を暴かれ、遺体を燃やされ、墓はダイナマイトで爆破された。
1945年のことであった。
また朝鮮では、第二次日韓協約(1905年)に際して、皇帝高宗が
「全面的に協約案を拒むことは、隣の誼を保ちがたい。(中略)朕の心はすでに述べたとおりだ。そちたちよきにはからえ」
(『日省録』『承政院日記』『高宗実録』の光武9年1月16日条と
『駐韓日本公使館記録』の機密第259号
「5大臣上疏文奉呈ニ関スル件」「別紙上疏文」 )
と、自ら協約を受け入れたことが、今日の日韓併合史の研究で明らかになっている。
協約の調印は5人の大臣たちに丸投げされたのだが、この5人は戦後「5賊」と称され、売国奴扱いされることになり、その墓は暴かれて破壊された。
彼らの子孫たちは今日でも墓を建てることができない。
のみならず最近の韓国では、反米反日親北の盧武鉉(ろぶげん)政権下、
・「親日・反民族行為者の財産の国家帰属に関する特別法」が国会を通過、
・2006年8月には同法に基づき大統領直属の「親日・反民族行為者財産調査委員会」が発足し、
・2007年5月2日には日本統治に協力した親日派9家に対して、子孫たちが所有する財産約36億ウォン(約4億8千万円)の没収
が決定された。
さらに8月13日には、その第2弾として、親日派10家が所有する約 105億ウォン(約13億6千万円)相当の土地、約 102万㎡を没収することも決定された。
つまり、戦前・戦中、中国・朝鮮ともに親日近代化主義と反日民族主義者との確執があったわけだが、日本の敗戦とともに、前者は歴史の裁きを受け、民族の反逆者としてすべての国民から敵視されるゴーストの扱いをうけることになった。
そして、その子孫たちでさえ親日派の血を伝えるがゆえに、現今に至るも決して許されることがないのである。
このような人々に、靖国神社に祀られた霊魂に対する日本人一般の敬意を理解させることは、ほぼ不可能といわなければならない。
彼らにとってそれは他家の鬼であり、ゴーストであり、彼らが靖国神社参拝問題を語るときには、参拝のことを「拝鬼」(中国新華網、2006年8月15日電)といい、平然と侮蔑することになる。
「それでも靖国に行こうとする日本の首相はいったい何者なのか」。
さんざん首をひねった末に彼らが編み出した解答は、「そうか。その首相は、きっと東條英機の隠し子だったのだ」 というもので、これで彼らはやっと納得の苦いかたまりを肚に落とすのである。
けだし、すべてを一族の血という公式から演繹する中華文明圏の民たちにとって、日本人の「罪過」は未来永劫にわたって晴れることはなく、その復讐は那由多(なゆた)の回数分、正当化されることになるだろう。
さて筆者は大学で「東洋政治思想」という講義を持っており、ときどきここで語ったような比較文化論をすることがある。
すると授業が終わるやいなや、激昂した韓国や中国の留学生たちが朴文娘の家人たちのように教壇にドッと押し寄せてくる。
何を怒っているかと思えば、そのような日本人の霊魂観や精神は間違っていると腹を立てているのである。
なかには、「地下鉄サリン事件で多くの日本人を殺した人物の死後、日本人はその者の墓まで建てさせるのか」 などと、迫ってくる学生までいる。
さて、このような人々に対し、読者諸兄姉であればどのような応答を試みるだろうか。
それは相当難しい。
なぜならば彼らの宗族中心主義は 「自己絶対正義」 の根幹なのであり、ここから今日の東アジアにおける多くの外交問題が発生しているといっても過言ではないからである。
> さて、このような人々に対し、
読者諸兄姉であればどのような応答を試みるだろうか。
無理!! 絶対に無理 (>_<)
「思想」(宗教を含む)というものは民族や国家を超えるので、「民族が違うから」とか「国が違うから」とか「言葉が違うから」といった説得は、一切、通じない。
しかも相手は、「自己絶対主義」だというのだから、歴史的事実もへったくれもありません。何が何でも自分が正しいというのを曲げない。
なるほど、これでは、「助けない、教えない、関わらない」の「3 カ条」ですねぇ・・・
竹島を「聖地」にした韓国の甘え
古田博司
(natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-248.html )
(抜粋)
韓国の最も大きな誤認は、地図上の大国に事大主義で仕えている限り、日本を敵に回しても構わないという甘えであり、この甘えが日本の防衛、ひいては、東アジア全域の安全保障に重大な危機をもたらすということがあり得る。
従って日本は、あくまでも韓国をバッファーゾーンに固定するように施策を練る必要がある。
とりあえず、「助けない、教えない、関わらない」という3カ条で、韓国の甘えを断ち切り、バランサーが夢であることを自覚させることから始めたい。
経済で困っても助けない、企画や技術を教えない、歴史問題などで絡んできても関わらない。
これが日本にはなかなかできない。努力が必要である。
古田博司
(natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-248.html )
(抜粋)
韓国の最も大きな誤認は、地図上の大国に事大主義で仕えている限り、日本を敵に回しても構わないという甘えであり、この甘えが日本の防衛、ひいては、東アジア全域の安全保障に重大な危機をもたらすということがあり得る。
従って日本は、あくまでも韓国をバッファーゾーンに固定するように施策を練る必要がある。
とりあえず、「助けない、教えない、関わらない」という3カ条で、韓国の甘えを断ち切り、バランサーが夢であることを自覚させることから始めたい。
経済で困っても助けない、企画や技術を教えない、歴史問題などで絡んできても関わらない。
これが日本にはなかなかできない。努力が必要である。
新しい神の国 ☆ もくじ
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-11-1 )
第4章 日本文明圏の再考
1.中世朝鮮の墓暴き乱闘事件
2.宗族という異質な社会
(https://hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-17-1 )
3.靖国の誤解をただす
4.日本文明の写実性
5.現実性と写実性の狭間で
6.古代や中世に固着する東アジア
◆ 日本は「東アジア」の一員じゃない
PSY ~ Gangnam Style (江南スタイル) (2012)
坂本九から50年。未だに第2のビルボード 1 位を輩出できない日本の音楽シーン。それなのに韓国から 1 位が!! 口惜しかったですねぇ、私は。
「日本音楽産業は何を向上させたのか」に書きましたけれど、韓国のポップミュージック・シーンを形成したのは J-POP です。K-POP は J-POP の逆輸入でしかない。だからこの「江南スタイル」も朝鮮半島や中国大陸など「中華文明圏」のリズムに、J-POP のリズムが融合してますw
が、軽いんですよね。J-POP のように4拍目でドッスンと落ちない。ゴムまりのように弾んでるんです。そしてこのビデオクリップのセンスの良さ。
ソウルの、日本で言えば六本木界隈あたりに相当するでしょうか、新興のビジネス繁華街。そこを皮肉りながらも、ちょっと羨ましいという社会風刺を、世界中の大衆をターゲットにして描いていますね。だから瞬く間に世界中からカヴァー映像が投稿されました。
◆ 中華圏だけの「世界」に、羽ばたくぅ?!!\(◎o◎)/!
(natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-93.html )
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