◆ 出版界にあふれる LGBT [ ◆ マルクスからフランクフルト学派へ]
阿比留瑠比の極言御免
出版界にあふれる LGBT
2021.07.29
(www.sankei.com/article/20210729-UFNJ4CJTGJNMTGNPQ5ZGCWLH44/ )
LGBTなど性的少数者の課題解決を目指して開かれた、超党派による会合
=5月31日午後、国会内
同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進をめぐる法案について、ずっと違和感が拭えないでいる。
法案自体の問題は5月27日の当欄をはじめ何度か書いてきたが、それとは別のある疑問に関してである。
同性愛者らが宗教的に禁じられたり、弾圧されたりしてきた諸外国と同じことを、歴史的に男色などにおおらかだったわが国がやる必要があるのか。
確かに苦しんでいる当事者が少なくないのは事実だろうが、法律で理解しなさいと指導するほど、本当に日本社会は非寛容なのか。
わざわざ法律に、「差別は許されない」と書き込まなくてはならないような状況にあるのだろうか。
そこに納得がいかずにいたが、福井県立大の島田洋一教授が7月27日にフェイスブック(FB)で指摘していた次の言葉で、すとんと腑に落ちた。
「LGBTに理解を示すテレビ番組や小説漫画がこれだけ溢(あふ)れる中、左翼活動家を利するだけの統制的法律など必要ない。百害あって一利なしである」
確かに、ふだん読む小説にLGBTは頻繁に登場してくる。
自宅の本棚をざっと見ただけでも、本紙連載中の高殿円氏の『上流階級 富久丸百貨店外商部』、山口恵以子氏の『食堂のおばちゃん』、映画化もされた万城目学氏の『プリンセス・トヨトミ』…とその例は枚挙にいとまがない。
時代小説の傑作、池波正太郎氏の『剣客商売』にだって、そう珍しくもない存在として登場する。
漫画に至っては、LGBTものが花盛りだとすらいえる。
テレビドラマ化、映画化もされたよしながふみ氏の『きのう何食べた?』や、粉山カタ氏の『不可解なぼくのすべてを』は家族が愛読している。
いわゆるLGBTものと分類できるかはともかく、ボーイズ・ラブ(BL)漫画は書店でごく当たり前にコーナーが設けられている。
最近は女性同士の百合漫画も増えており、途中まで読んでやっと気づくほど流通している。
島田氏の言う通り世にあふれており、さらに無粋な法律で理解増進を省庁や自治体、学校現場に強いる必要があるとは考えにくい。
あまりに理解、理解と押し付けられるとかえって反発や忌避心、新たな対立を生むのではないかと危惧する。
もうすでに言葉狩りは始まっている。
この問題に関して行き過ぎた「LGBT原理主義」(島田氏)に陥った米国では、同性愛カップルへの結婚式ケーキづくりを信仰上の理由で拒否したケーキ職人が不当な差別だとして訴えられ、最高裁まで争うなどの事例も出ている。
島田氏は「米国では、あらゆる国の少数派、虐げられた者たちの味方だと訴えて票を稼ぐ手法を民主党がとっている。LGBT運動は政治闘争となっている」と語る。
また、FBにはこうも記す。
「悪質なLGBT活動家による逆いじめ(濫訴など)も米国他で問題になって久しい」
日本のLGBT法案の推進者は、「法律ができても裁判にはならない」と主張するが、全く説得力がない。
日本はただでさえ現在、左派・リベラル勢力による少数者が不利・不快になる言葉や政策をなくす「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」の押し付けによって、息苦しい社会になりつつある。
いくら政治家は法律をつくるのが仕事だからといって、何でも法制化すればいいわけではない。(論説委員兼政治部編集委員)
出版界にあふれる LGBT
2021.07.29
(www.sankei.com/article/20210729-UFNJ4CJTGJNMTGNPQ5ZGCWLH44/ )
LGBTなど性的少数者の課題解決を目指して開かれた、超党派による会合
=5月31日午後、国会内
同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進をめぐる法案について、ずっと違和感が拭えないでいる。
法案自体の問題は5月27日の当欄をはじめ何度か書いてきたが、それとは別のある疑問に関してである。
同性愛者らが宗教的に禁じられたり、弾圧されたりしてきた諸外国と同じことを、歴史的に男色などにおおらかだったわが国がやる必要があるのか。
確かに苦しんでいる当事者が少なくないのは事実だろうが、法律で理解しなさいと指導するほど、本当に日本社会は非寛容なのか。
わざわざ法律に、「差別は許されない」と書き込まなくてはならないような状況にあるのだろうか。
そこに納得がいかずにいたが、福井県立大の島田洋一教授が7月27日にフェイスブック(FB)で指摘していた次の言葉で、すとんと腑に落ちた。
「LGBTに理解を示すテレビ番組や小説漫画がこれだけ溢(あふ)れる中、左翼活動家を利するだけの統制的法律など必要ない。百害あって一利なしである」
確かに、ふだん読む小説にLGBTは頻繁に登場してくる。
自宅の本棚をざっと見ただけでも、本紙連載中の高殿円氏の『上流階級 富久丸百貨店外商部』、山口恵以子氏の『食堂のおばちゃん』、映画化もされた万城目学氏の『プリンセス・トヨトミ』…とその例は枚挙にいとまがない。
時代小説の傑作、池波正太郎氏の『剣客商売』にだって、そう珍しくもない存在として登場する。
漫画に至っては、LGBTものが花盛りだとすらいえる。
テレビドラマ化、映画化もされたよしながふみ氏の『きのう何食べた?』や、粉山カタ氏の『不可解なぼくのすべてを』は家族が愛読している。
いわゆるLGBTものと分類できるかはともかく、ボーイズ・ラブ(BL)漫画は書店でごく当たり前にコーナーが設けられている。
最近は女性同士の百合漫画も増えており、途中まで読んでやっと気づくほど流通している。
島田氏の言う通り世にあふれており、さらに無粋な法律で理解増進を省庁や自治体、学校現場に強いる必要があるとは考えにくい。
あまりに理解、理解と押し付けられるとかえって反発や忌避心、新たな対立を生むのではないかと危惧する。
もうすでに言葉狩りは始まっている。
この問題に関して行き過ぎた「LGBT原理主義」(島田氏)に陥った米国では、同性愛カップルへの結婚式ケーキづくりを信仰上の理由で拒否したケーキ職人が不当な差別だとして訴えられ、最高裁まで争うなどの事例も出ている。
島田氏は「米国では、あらゆる国の少数派、虐げられた者たちの味方だと訴えて票を稼ぐ手法を民主党がとっている。LGBT運動は政治闘争となっている」と語る。
また、FBにはこうも記す。
「悪質なLGBT活動家による逆いじめ(濫訴など)も米国他で問題になって久しい」
日本のLGBT法案の推進者は、「法律ができても裁判にはならない」と主張するが、全く説得力がない。
日本はただでさえ現在、左派・リベラル勢力による少数者が不利・不快になる言葉や政策をなくす「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」の押し付けによって、息苦しい社会になりつつある。
いくら政治家は法律をつくるのが仕事だからといって、何でも法制化すればいいわけではない。(論説委員兼政治部編集委員)
菅原雅子著『日本人の生活文化』
中世日本は世界で最も現代思想に近かった
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-29-2 )
中世日本では男色も普通だった
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-30 )
パトリック・J・ブキャナン著
『病むアメリカ、滅びゆく西洋』
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2016-08-15 )
フランクフルト学派 (トロイの木馬革命)
前編 (hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2017-11-01 )
中編 (hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2017-11-01-1 )
フランクフルト学派、アメリカ上陸
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1 )
ゲイの権利と公民権
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22-1 )
怯える多数派
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-10-11 )
中世日本は世界で最も現代思想に近かった
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-29-2 )
中世日本では男色も普通だった
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2019-11-30 )
パトリック・J・ブキャナン著
『病むアメリカ、滅びゆく西洋』
(hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2016-08-15 )
フランクフルト学派 (トロイの木馬革命)
前編 (hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2017-11-01 )
中編 (hawkmoon269.blog.ss-blog.jp/2017-11-01-1 )
フランクフルト学派、アメリカ上陸
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-11-1 )
ゲイの権利と公民権
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-09-22-1 )
怯える多数派
(hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-10-11 )
2021-08-07 12:04
nice!(2)
コメント(0)
コメント 0